これまでの記事を読んで、iDeCoやつみたてNISAの必要性について理解したものの、いつから始めたらよいかわからないという方はなるべく早いうちに始めましょう。
それはなぜか。
若い人が積み立て型の投資を始めるのが遅くなると、どれほどの資産を増やす機会を失うのかシミュレーションしてみると、その理由がわかります。
25歳の若者がiDeCoを始めて60歳まで積み立てるというケースを考えて見ましょう。
この若者がiDeCoを始めるのが1年遅れたとします。
年間の積立額が276,000円(月23,000円)とすると、ここで積み立てた276,000円が、35年間かけて増える分が失われるということです。
仮に年利7%で運用できたとすると、
276,000×(1.07)^35≒2,945,000
つまり、35年間もかけると10倍以上に増える計算になります。
実際にはここまで上手くいかないものなのでしょうが、この何もしなくても10倍に増やすチャンスを失うと考えてよいのです。
時間のある若者こそ、複利効果のメリットを享受できます。
若い人には時間があります。
この時間こそが最大の武器です。
投資信託は基本的に放置です。
何もしないのが基本です。
時間をかければ、何もしなくてもこれだけ資産を増やすことができます。
このチャンスを決して無駄にしてはならないと考えます。
もちろん、若いうちは給料が安い。
そして手取りはもっと少ない。
少ない手取りの中で投資の分まで捻出するのは大変なことで、奨学金を借りていればより厳しいでしょう。
そのような状況でも、倹約に努め、しっかりと将来を見据えた投資を継続的に行うことが数十年先の将来のゆとりある暮らしのためには必要なことです。
若いうちは多少の無理が利くものですから、真剣に将来を見据えた資産形成に取り組むことが重要です。
なぜここまで警鐘を鳴らし、将来のための資産形成の重要性を強調してきたのか。
それは、社会保険の仕組みを考えればわかるものです。
手取りが安いのもこの悪しき社会保険料のせいです。
社会保険料に関してはこちらの記事で解説しています。
税金よりも高い社会保険料 保険料率18.3%から25.9%へ? 待ち受ける最悪のシナリオとは