「今の若者が昔の若者と比べて賢くなっている」というのは、学校での試験の成績の話ではなく、生き方の問題です。
ゆとり世代である今の若者は、教科書が薄く学校での授業も少なかったため、社会に出てから役に立たない、どうでもいい知識の詰め込みは少なく済んでいます。
無駄な知識の詰め込みに充てていた時間を、自分が好きなことに充てられたので、ゆとり教育は本当に良かったと思っています。
学校で過ごす時間が短くなるのは無駄が少なくなるため、その点も非常にメリットがありました。
洗脳教育の影響が大きく、学歴至上主義で成績が全て、勉強量が重要であると刷り込まれている人はそうは思わないのでしょうけど。
学歴や成績は考える力ではなく、知識量、より本質的にはストレス耐性の指標です。
学歴至上主義は、多くの国民がいい大学を卒業し、いい会社に入ることが幸せであると刷り込まれているからこそ成立するものです。
しかし、今の若者はいい大学に入り、いい会社に入ったところで幸せになれるとは限らないことに気付き始めたのです。
有名な大企業に入っても、3年以内に転職する人は多いようです。
昔の人とは大きく価値観が変化し、仕事よりもプライベートを優先する傾向にあり、サービス残業のように搾取されることを嫌います。
出世欲は弱く、そこそこの幸せを望みます。
このような価値観の変化は、上の世代の悲惨な末路を見て形成されたのかもしれません。
毎日残業し、家にいる時間はほとんど寝ているだけ。
翌朝には家畜運搬車(電車)に詰め込まれて会社まで輸送され、また残業。
働き過ぎて死人が出る有様。
こんな人達を見て、「こうはなりたくない」と思うようになったのでしょう。
年功序列、終身雇用に守られていた上の世代は、搾取されてもある程度の見返りが期待できたのですが、今の若者は搾取されるだけで見返りはありません。
国も会社も守ってくれません。
そんな時代だからこそ、会社ではなく自分の人生、自分の時間を優先し、搾取されることを嫌うのは当然の価値観の変化です。
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常識という古い価値観の若者への押し付けは若者の将来を潰す行為である
今の若者は考える力がついていて賢くなっているというのは、詰め込み教育による知識量の問題ではなく、昔の人の教え、古い価値観に違和感を覚え、自ら思考し最適解を導き出しているということです。
昔の人のように、上の世代から教わった事を信じて実践したところで幸せになれないのではないかと考え、どのように生きるべきかを考えているという点が大きく異なります。
今の若者は、昔の人のように思考停止に陥っていないことを示しているのではないでしょうか。
情報へのアクセスは容易になり、必要な情報を簡単に手に入れ、発信までできる時代になりました。
疑問を持ち、その疑問を解決するために必要な情報を入手し、思考する。
これができる若者が増えているため、昔と比べて賢くなっているという印象を持ちます。
これからの時代は、単なる知識の多寡が問われるのではなく、考える力が問われる時代になります。
人間の記憶力はコンピューターには到底敵いませんし、あらゆる単純な作業はAIに代替される時代です。
今の若者に考える力がついているというのは良い傾向ではないでしょうか。
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