近年、最低賃金は急激な上昇を続け、東京都の最低賃金は2018年10月に985円、神奈川県は983円になりました。
今年2019年にはどちらも1,000円を超えそうな勢いです。
最低賃金が上昇するということは人件費が増大するわけですが、その分バイトの質が上がるわけではありません。
結局は安かろう悪かろうであり、そこまで高い金を払う価値のない人に高い金を払わなければならないのが現状で、そこに追い討ちをかけるように物価の上昇(原材料費の高騰)があり、原材料費と人件費が高騰するからまた物価が上がるという悪循環です。
国民全体の給与のベースが上がらない中での物価の上昇ですから、消費が落ち込む好ましくないインフレです。
最低賃金の上昇は最低賃金程度で働く人にはメリットがありますが、それ以外の人にとっては負担が増すだけです。
最近はバイトテロやバカッターが話題になっています。
コンビニやファミレスのバイトがSNSにバカ丸出しの動画をアップし、それが瞬く間に拡散され、会社がバイトに潰されそうになる事態にまで発展しています。
昔からバカはどこにでも存在していたのですが、昔は仲間内で盛り上がっていただけのものが現在はSNSによって共有され、それが思わぬ形で拡散されて社会全体に知られてしまい、炎上しているだけです。
バカの楽しさを共有する手段の変化によって、社会全体に知られるようになっただけです。
時代とともに情報の共有方法が大きく変化しました。
しかし、最も変わるべきものが何も変わっていません。
現在は人が行っている単純作業の機械化はそれほど進んでおらず、人件費の増大は経営を圧迫します。
コンビニでも無人レジは実験段階ですが、これからキャッシュレス比率が大きくなることもあり今後は無人レジが当たり前になってくるでしょう。
人件費の抑制だけではなく、バカッターのリスク回避にもなり、人手不足の問題もクリアできるため、経営者側にとって非常にメリットが大きいと考えられます。
消費者にとっても、人件費が抑えられた分だけ商品の価格が下がるのでメリットは大きいでしょう。
AIに仕事を奪われると懸念する人もいます。
誰でもできる単純作業しかできない人は確かに仕事を奪われるでしょう。
このような人は、つまらない単純作業を延々と死ぬまで続ける気なのでしょうか。
これからの時代は、資産が形成できなければ死ぬまで働く時代です。
つまらない仕事を辛いと嘆きながら何十年も続けることができる人はある意味天才です。
これからの時代は、頭を使えない人間は淘汰されていきます。
AIの発達によって、つまらない労働から解放されることのメリットを享受し、クリエイティブな仕事ができる時間が増えることに喜びを感じられないような人はずっと底辺です。
底辺で、最低賃金で搾取され、格差は現代よりもずっと拡大するのだから、考え方を変えなければなりません。
人手不足、人件費高騰、バカバイトによるテロのリスクを考えれば、機械化にシフトする流れは当然でしょう。
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参考書籍
『10年後の仕事図鑑』堀江貴文、落合陽一 共著