2018年4月から妊婦が医療機関を受診した際に妊婦加算が上乗せされていたことを知っていた方は多くはなかったようだ。
3割負担の場合の自己負担額は初診230円、再診110円と少額であるため、明細書を細かくチェックしなければわからないだろう。
広く知られるようになったのは今年9月頃からで、妊娠中の女性のTwitterでの投稿がきっかけである。
窓口で妊娠しているのであれば会計が変わると伝えられ、この女性もそこで初めて妊婦加算の存在を知ったのだろう。
妊婦の自己負担が増えるのは少子化対策に逆行する制度であり、むしろ妊婦の負担を軽くすべきであるとの批判が続出した。
少額ではあるものの、妊婦であることを理由に多く搾取されていたことに怒りを覚える人が多かったのである。
妊婦の場合、例えば薬剤の選択の際に胎盤透過性を評価し胎児への影響等を考慮して慎重に選択しなければならない等の負担が医療従事者に生じる。
この妊婦加算は、医療従事者の一般患者よりもリスクの高い妊婦に対する特別な配慮の評価であり、医療関係者であれば納得のいく制度である。
しかし、上述のように国民感情としては納得のいかないものであり、厚労省は加算を残すものの実質的に負担が生じないような措置を検討する。
国は国民の知らないところで少しずつ搾取しているのである。