2020年5月時点の最新情報
欧米諸国のようなマスクを着用する習慣のなかった国でも、ロックダウンを解除し経済活動を再開するために市民にマスクの着用を義務づけるなどの対策がされており、世界的に需要が増大し、争奪戦になっています。
中国では、一旦収束に向かっているためにマスクの輸出が認められているようで、中国国外へ流出が見られています。
そのため、日本国内でも中国産マスクが販売されている状況を目にすることが増えてきました。
しかし、世界的な需要の増大によってマスクの原材料価格が高騰し、中国産の薄くて低品質なものでも現在は50枚入り1箱で3000円~4000円台で販売している店がほとんどです。
それだけの高値で販売してもそれほど利益は出ないようで、当面は入手できても安価では手に入らないと考えられます。
日本産を正規ルートで手に入れた方が安価で、品質の良いものが手に入る状況となっています。
以下、2020年2月17日現在の情報を基に作成しています
マスクの品薄状態はいつ解消されるのか
新型コロナウィルス(COVID-19)の国内での感染が拡大し、都市部も地方の田舎も、全国どこでも感染者がいるという段階に入っているものと推測される状況の中、マスクや消毒薬は品薄の状態が続いています。
政府はマスクの増産を国内メーカーに要請しており、設備投資のための補助金を交付するなどして品薄状態の解消に努めています。
多くの国内メーカーは、休日返上、24時間体制で製造していて増産に懸命ですが、果たして品薄状態は解消されるのでしょうか。
先週の官房長官の会見で、来週以降(つまり今週から)の品薄解消を見込んでいるとしましたが、はっきり言ってしまえば大嘘です。
それはなぜか。
国内で流通するマスクの7~8割は中国産 品薄解消は当面先の見通し
そもそも、国内で流通しているマスクの大部分は中国産です。
8割程度中国産で残りは国産なのですが、中国は輸出規制をしているため、この少ない国産を取り合っている状態です。
政府によれば、製造ラインを増やして生産量を1.5倍にするとのことですが、工事が終わって本格的に増産できるのはもう少し先の話です。
そもそも少ない国産を1.5倍に増やしたところで、需要に対して供給量が圧倒的に少ない状況は変わりません。
政府は広く多くの国民に供給できるよう、買い占めを減らすために大嘘をついているに過ぎません。
日本以外にも多くの国でマスクが不足している状態であるため、日本に住む外国人が買い占めて中国をはじめ各国に送るとか、日本人による買い占めもしばらくは続くため、まだ入手困難な状況が続きます。
しかし、もう少し待てば転売されている高価なマスクを買わなくても定価で少量手に入る状況になると考えられます。
1箱2,000円台でも値上げしているわけではない
ドラッグストアで薬剤師として勤務しているため、客の購買行動に変化が見られることに気が付きました。
以前はマスクを棚に並べるとすぐにカゴに入れて購入していたのが、最近では手に取って迷ったり、一度カゴに入れたものを棚に戻す客が一定程度いるということです。
購入を躊躇する理由は価格です。
少し前までは1箱数百円の商品が多く、安価であるため購入を即決していたのが、現在流通している商品は2,000円台が相場であるため迷ってしまうようです。
「足元見られている」と仰る方もいるのですが、別に値上げしているわけではなく、店頭では定価で販売しています。
中国産は人件費が安いため安く製造できるのですが、国産の場合は高い人件費が価格に反映されているため高価なのです。
もちろん、高品質で付加価値をつけているために高価であるということもありますが、やはり高い人件費が大きく影響しています。
今後流通するのは高価な国産が主 1箱2,000円以上
中国産は当面中国国内から流出しないため、今後流通するのは高い国産が主になります。
買い占めが落ち着いて常に店頭に在庫があるという状態になっても、1箱数百円の安い商品を手に入れるのは難しく、手に入るのは1箱50枚入りで2,000円以上の商品という状況になります。
メーカーによっては国産でも1箱50枚入りで数百円の場合もあるようですが、国産では1,000円台でも安い方ではないかという印象です。
30枚入りで2,000円程度の商品もあれば、もっと高価な商品もあります。
暫くは安価なマスクを手に入れるのは難しい状況が続くと思われます。
マスクの適切な備蓄量
マスクに使用期限があるわけではないので、一定程度備蓄しておくことを推奨します。
私の場合は少なくとも5~6箱はストックしてあり、今回の新型コロナウィルスの感染拡大という状況下でも10箱以上備蓄があったため、一切買い足していません。
数年に1度はこのような感染症が発生するものと考え、半年分の備蓄があると安心できるのではないでしょうか。
1日2枚使用し、外出しない又は近くのコンビニに行く程度で使用しない日もあることを考えると、50枚入り1箱で1ヶ月が目安です。
しかし、本当に必要としている方への供給が優先であるため、今は1人1箱の購入にとどめ、買い占めは避けましょう。
供給が安定してきたら少しずつ備蓄を増やし、安い中国産が流通するようになったら、こちらを必要量備蓄するのが賢明ではないかと考えます。
通販での販売状況もよく確認し、店頭での価格と比較しながら購入するのがいいのではないでしょうか。
病院等で使われる医療用サージカルマスクは主に中国産で、通常は1箱数百円と安価で購入でき、質がそこまで良いわけではありませんが悪くもないと思います。
安価で質がそこそこのマスクをケチケチせずに使用するのが最もコスパが良く、予防の効果が高いと考えます。
中国産が国内で流通するようになったら、通販で医療機関向けのサージカルマスクを購入し備蓄することを推奨します。
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予防の基本は手を清潔に保つこと
予防の基本はマスクよりも手を清潔に保つことであり、手洗いが最も重要です。
消毒用エタノールを使って消毒する前に、石鹸を使って汚れを落としてから水気をよく拭き取り、消毒用エタノールをよく刷り込んで自然に乾くのを待つのが最も消毒効果が高いのです。
その他、消毒用エタノールに関して詳しく関連記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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