iDeCo、つみたてNISAは国が積極的に推進している制度です。
なぜここまで税制面で優遇し、国が後押ししているのかを考察します。
今回はつみたてNISAについて、その理由を考えましょう。
結論を言ってしまえば、つみたてNISAは経済対策と考えるのが妥当です。
2017年6月の金融庁資料によれば、我が国の家計金融資産約1700兆円のうち、52%にあたる900兆円が現預金であるとのこと。
もちろん、マイナンバー制度が始まったとはいえ国が国民の資産を全て把握しているわけではないですから、実際にはもっと多いと推測されます。
この国の問題点は、家計金融資産に占める株式や投資信託の割合が小さいことです。
日本人の現金主義こそが資産形成の妨げであり、景気が思うように上向かない要因です。
現金で資産を有することは安全であるという認識が一般的なのでしょうが、果たしてそうなのでしょうか。
この問題については、「現金主義は安全か? インフレ率2%でどのように変わるのか」の記事で解説しています。
現状の現金主義のままでは日本人は資産を増やすことができません。
この低金利時代に銀行にお金を預けたところで、ただ預けるだけになってしまいます。
ほぼ増えません。
昔は銀行にお金を預けていれば、お金は増えたものです。
バブル期には普通預金で金利2%以上、定期預金で6%以上でした。
しかし今はほぼ0です。
昔の方法が通用しない今の時代で資産を増やしたければ、やはり投資です。
現行のNISAでは、積み立てによる利用は総口座数の1割以下であり、積み立て投資はさほど浸透しませんでした。
欧米のように長期の積み立て投資を促進し、国民に成功体験をもたらし、投資がさらに促進されるという好循環をもたらすために政府は本気になったのでしょう。
その結果、つみたてNISAが始まったのではないでしょうか。
税制面で優遇し、金融機関が儲けるためではなく、投資家本位の優良な商品にお墨付きを与え、投資へのハードルを大きく下げることで小額投資を促進し、投資が身近なものになればこの国の景気も良くなってくるのではないでしょうか。
よくお金は血液に例えられます。
お金を使って循環させていかないと、経済は活性化されません。
関連する内容として、個人型確定拠出年金(iDeCo)を促進する理由については次の記事で解説しています。
参考記事