2018年人事院勧告 定年延長 住居手当にも言及

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8月10日、人事院は国会及び内閣に対し、国家公務員の給与の改定を勧告しました。

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勧告内容通りの引き上げとなる見通しで、臨時国会で改正給与法が成立後、月給の差額分については4月分まで遡って支給されることになります。

ただし、国家公務員準拠の給与体系の職場に勤務する方も同様に4月分まで遡って支給されるとは限りませんが。

 

民間給与との差一人当たり655円(0.16%)を埋めるため俸給表の水準を引き上げるとともに、賞与を0.05月分引き上げるという勧告内容です。

特に若年層については民間との差が大きく、1000円程度の引き上げ、初任給については1500円の引き上げとなります。

若手については手厚くする一方、級及び号の高いベテラン層については400円の引き上げにとどまります。

因みに薬剤師の初任給は医療職二表2級15号俸ですが、1200円上がり209,000となる見込みです。

 

さらに、今回の勧告では住居手当の見直しについても言及があり、国家公務員の住居手当の上限は現在27,000円ですが、今後引き下げられる可能性があります。

例えば東京都では住居手当の上限は15,000円、さらには満34歳に達する年度までしか支給されないという年齢制限もあります。

まだ先の話になるのでしょうが、民間では支給されていない企業も多く、減額や支給対象に年齢制限を設ける等の方向になるのではないでしょうか。

 

さらに今回の勧告では、既定路線ではあるのですが、国家公務員の定年を引き上げ、段階的に65歳とするための国家公務員法等の改正に関する意見の申し出がありました。

役職定年を設け、給与については60歳前の7割の水準が適当であるとの意見の申し出です。

公的年金の懐事情は厳しいものであり、支給開始年齢の引き上げのために必要なのでしょう。

現在の若年層は果たして何歳まで働くことになるのか、考えたくもありませんね。

公的年金については実質的に支給額を減額していきますが、下記の記事で解説しています。

 

参考記事

なぜ国はインフレにしたいのか 生活に与える影響は

 

また、個人型確定拠出年金(iDeCo)という税制面で優遇し、年金の減額分を自助にて補うための制度についての解説もぜひご高覧いただきたいと思います。

 

参考記事

若者の資産形成に有効な制度① 個人型確定拠出年金(iDeCo)

なぜ国はiDeCoやつみたてNISAの積極的な利用を勧めるのか②

資産を10倍にする機会の損失 すぐにでもiDeCo、つみたてNISAを始めた方がよい理由

 

 

以上、2018年人事院勧告について解説しましたが、これから就職しようという学生等で公務員という進路を考えていない方でも、国家公務員の給与体系については知っておいた方がよいと考えます。

民間でも公表されていないだけで、普通は国家公務員の俸給表のような、給与を決めるシートがあり、それに基づいて給与を決定するものだからです。

また、公務員の表面上の給与は若いうちは安いように思われますが、実際にはどうなのか、そのカラクリを知ると考えが変わるかもしれません。

国家公務員の給与についてはまたの機会に解説する予定です。

 

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