厚生労働省が2017年11月に公表した平成29 年賃金構造基本統計調査(初任給)の概況によると、2017年の大卒初任給の平均は206,100円で、前年比1.3%増です。
これは基本給の他、各種手当を含めたものであり、実際に手元に残る金額(手取り)は条件によりますが17万円程度になります。
1年目の場合は社会保険料(15%弱)と所得税が天引きされ、住民税はまだ天引きされません。
控除されるものの内訳として、税金よりもずっと社会保険料の方が高いということを理解しておきましょう。
この社会保険料に関する解説や、今後公的年金がどのように改悪していくのかなど知っておくべき情報、さらに老後の暮らしを守るための対策について関連記事を示しますので、是非お読みください。
関連記事
税金よりも高い社会保険料 保険料率18.3%から25.9%へ? 待ち受ける最悪のシナリオとは
社会保険料はどのように決定されるのか 3月~5月の残業に注意
1年目はまだ住民税が引かれませんが、その仕組みについて解説します。
住民税は税率が所得によらず一律10%であり、前年の所得に対して課税され、6月から控除されます。
つまり、その年の所得が確定してから翌年に納付となるため、前年の所得がない1年目の社会人はまだ住民税の支払いがないということです。
住民税決定通知書に6月からの各月にいくら納付するのかが書かれていますので、確認してみてください。
住民税はボーナスからは引かれません。
賞与の有無や諸々の条件によって異なるのですが、賞与無しの2年目の社会人の住民税は月々5,000円程度といわれています。
2年目の6月以降は住民税が引かれるため、昇給したにもかかわらず手取りが減ってしまうことが多いということを頭に入れておきましょう。
ここからさらに手取りが減っていきます。
9月には社会保険料が上がります。
2年目は業務量が増え、それに伴って残業代が増えるケースが多いのではないでしょうか。
すると、標準報酬月額が上がり9月以降さらに手取りが減ります。
3年目になるとさらに住民税の負担が重くなります。
2年目の住民税は1年目の所得に対して課税されたものです。
1年目は4月から12月の9ヶ月分の月給、夏の安いボーナス、冬のボーナス満額の合計が年収であるため、1年目の年収は低いのですが、2年目になると月給が3ヶ月分多くなり、さらに夏のボーナスも満額になります。
つまり、2年目の年収が高くなるため、3年目に引かれる住民税の負担が重くなるということです。
このように、社会人となってから手取りは増えるどころか減っていくケースも多いということを念頭に、計画的にお金の使い方を考えることが重要です。