ついに1000円超える 最低賃金の引き上げは最悪のインフレをもたらす愚策 いよいよ仕事が無くなる?

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東京都と神奈川県の最低賃金は1,000円を超えた

2019年10月、年々上がり続けてきた最低賃金が大台に達した。

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東京都で1,013円、神奈川県で1,011円まで上昇したのである。

最安値は東北や九州、中国・四国地方などで790円だ。

最低賃金程度の時給で働く労働者、学生等にとっては朗報かもしれないが、この人件費増は最悪のインフレをもたらし、大きな影響を受けるのは中間層だ。

 

消費税増税、原材料費高騰、人件費増の三重苦

ここで指す中間層はかなり幅が広いと考えてよい。

平均年収は上昇していて、2018年の日本のサラリーマンの平均年収は441万円だが、恐らく中央値はそれほど変わらず360万円程度であると考えられる。

関連記事では、平均年収で考えると実態と乖離してしまうため中央値で考えた方が実態に即している理由について解説している。

 

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賃金の上昇は一部の大企業に限られていて、名目賃金でも一般的にはほぼ上昇は見られない。

しかしながら、2019年10月からは消費税の増税があり、原材料費の高騰や最低賃金の上昇と人手不足を背景とした人件費の増加がある。

これらの要因から物価が上昇してしまえば、名目賃金が変わらない以上、実質賃金は下がるため生活は苦しくなる。

最低賃金程度の時給又は単価で働く労働者の場合は良いが、それよりも少し高い程度以上で働く労働者の場合は名目賃金が上がらない以上、実質賃金が下がることとなる。

つまり、ここでの中間層とは、最低賃金よりも少し高い時給で働く層~小金持ち程度の層である。

要するに、国民の大部分の生活が苦しくなってしまうのである。

すると、消費に回すことのできる可処分所得が少ないため消費が低迷し、賃金が上がらないという悪循環に陥ってしまう。

2020年6月の東京オリンピック前までの期間限定で行われているキャッシュレス決済ならば最大5%還元というキャンペーンが終わり、オリンピックも終わってしまうと日本経済は深刻な状況に追い込まれるだろう。

しかし、最低賃金を上げなければならない事情もあるのだ。

 

外国人労働者にも避けられる日本の労働環境の劣悪さ

近年、人手不足が深刻である日本のコンビニや外食チェーンは外国人労働者が多いという点で昔と大きく変わっている。

首都圏の多くのコンビニや外食のチェーン店では、日本人の労働者だけでは不足し店が回らなくなってしまうため、外国人労働者に頼っているのが現状である。

日本の最低賃金は先進国の中では最低水準であるが、アジアではトップクラスだ。

最低賃金の高い地域に関して言えば、先進国の中でもそこまで劣っているわけではない。

現状としては外国人労働者のおかげでどうにか便利なサービスが維持できているが、この状態はそう長くは続かないだろう。

 

日本の労働環境が劣悪であることはよく知られている。

幼い頃から受けた洗脳教育によって真面目で従順な安い労働者に仕上がった日本人の多くは気が付いていないのだが、日本の労働環境は劣悪だ。

監視され、拘束時間は常に動いていなければならない。

特に仕事が発生していない場合でも、怒られてしまうために何かしている風を装わなければならない。

始業時間よりも早く働き、就業時間を過ぎても無賃労働を強いられる。

彼らの感覚では到底理解できるものではないはずだ。

 

首都圏のような客が多いエリアのコンビニや飲食店の労働環境はさらに劣悪だ。

常に客が大量に来店するため、常に多忙であり、ずっと単純な労働を数時間休憩無しで強いられる。

それだけ大変なのに時給は安い。

日本はサービスが過剰であり、その点や文化などには魅力を感じるため、観光で訪れたいと思う外国人は多いのだが、日本の労働環境の劣悪さを知る人は日本でなんか働きたくないと考えるのである。

今はまだアジアの中では日本の時給は高いが、今後各国の最低賃金が上昇してくると労働環境が劣悪な日本なんて見向きもされなくなる。

他の国では同じくらいの賃金でもっと楽に仕事ができるからだ。

すると、いよいよ働き手がいないために便利なサービスの提供が困難になってしまうのである。

現在は働き手が不足しているため、労働者が仕事を選べる状況である。

選んでもらうためには、もっと緩くて旨みがなければならないだろう。

 

最低賃金が上がると仕事が無くなる?

最低賃金が上昇し、無賃労働を強いることが許されなくなりつつある状況で、賢い経営者はコストを抑えるために何を考えるだろうか。

それは人を極力使わないことだ。

技術の進歩に伴い、あらゆる作業が機械化される。

このブログでもコンビニの状況について触れることがあるが、それは大手3社でシェアの9割以上を占めるようになり、合理化されたこの業界は進みが早く、他の業界が遅れてコンビニ業界のマネをすると考えられるからだ。

では、コンビニ業界ではどのような動きがあるのだろうか。

 

まだ実験段階ではあるが、一部の店舗では無人化に向けての省人化を行っている。

深夜帯に限り売り場やレジに店員を配置せず、バックヤードでの作業を行う店員が1人いるだけだ。

何かあった場合に対応できるようにするために一応人はいるのだが、酒・タバコの販売はせず、料金収納や宅配も受け付けない。

セキュリティを強化し、監視カメラは数十台に及ぶ上に施錠された店舗に入店の際には認証が必要になる。

認証を必要とする等、個人が特定できるようにすることで万引き等の犯罪の抑止に一定の効果があるだろう。

しかし、店から出てきた客と入れ違いで入店したり、他の客に続いて施錠される前に入店する場合などは認証しなくとも入店できてしまうのは問題だろう。

会計も無人のレジで、決済方法も多様だ。

キャッシュレス化が進んではいるが、現金での支払いも可能にしているようだ。

レジ付近は監視カメラが大量に設置されていて、不正がないようにしっかりと監視している。

AIの発達によって人の不審な挙動をリアルタイムで感知できるようになれば、自動での通報も可能になるかもしれない。

 

このように、人を極力使わずに営業することで人件費を抑えようという動きがあるのだ。

機械ならば、電気を供給すれば24時間働かせることができるし、人のように権利を主張することもなく、指示通りに従順に働く。

機械は経営者にとって理想的な労働者なのである。

人の確保が難しく、人件費が高騰しコストがかかるのであれば、機械化を進めるのは当然だろう。

誰でもできる簡単な仕事は、これからの時代には徐々に姿を消すことになるのだろう。

 

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