学校の先生の言う事は聞くな! 学校と社会での評価のギャップ

学校の教員の言う事なんか聞かない方がいい。

それはなぜか。

 

学校での評価は単に結果とリンクするものではなく、プロセス評価が大きなウェイトを占めるため、実力と評価が大きく乖離するケースが多いものです。

絶対評価ではなく、教員の主観が大きく反映されるために適切な評価が出来ていないのが現状です。

 

社会に出てからの評価は結果が全てです。

どれほど努力しても結果を出さなければ意味がありません。

一方で学校での評価はプロセス評価が大きなウェイトを占めるため、試験の結果も大きく反映されるのですが、授業中の発現、態度、宿題をやったかどうか、ノートを取っているか、教員への媚売り等の影響が大きく、社会に出てからの評価方法とギャップが大きいのです。

 

そのため、学校で高い評価を獲得しようと無駄な努力をしてきた人は、それほど実力が伴っていないにもかかわらず高く評価されるものの、社会に出てからは実力不足が露呈し評価されないという事態を招いてしまいます。

 

授業をしっかり受けて一字一句間違えずにノートを取る事に意味があるのでしょうか。

確かに、授業や講義がわかりやすく理解の促進に繋がる有用なツールであれば活用すべきでしょう。

しかし、下手でわかりにくく、つまらない授業や講義を受けることに意味があるのでしょうか。

駄目な講義を受けても駄目になるだけではないでしょうか。

勉強は自分でするものであって、無理に人から教わるものではありません。

授業や講義が有用なツールではないのであれば、別に受けなくてもよいのではないでしょうか。

ある進学校の授業風景を紹介すると、わかりやすく教えてくれる先生の授業はしっかり受けているのですが、わかりにくくつまらない先生の授業では寝ている生徒も多く、起きていても授業は聴かずに自分で勉強しているものです。

高校では出席に厳しいためとりあえず教室にいるのですが、大学では露骨に教室内の人口が減少します。

 

頭のいい人には終着点が見えていて、ただ漫然とつまらない授業を真面目に受けて先生から評価されることよりももっと重要なことが何かがわかっています。

最終的に出来るようになることです。

試験で点数を取ること、つまり出来るようになることです。

媚を売って頑張ってるアピールをすることがムダだということがわかっています。

努力の方向性を間違えてしまうと、むしろマイナスになることもあるということを理解すべきです。

現在の教育現場では、本質を理解している優秀な学生が高く評価されず、実力のないムダな努力をしている学生が高く評価されてしまうという客観性の乏しい評価制度が用いられ、生産性の低い学生を社会に送り出していく仕組みとなっていることは大変残念なことです。

 

余談ですが、小学生の算数の授業であまりにも無駄なことを強要する教員がいたのを思い出しました。

分数の分母と分子の間の横線(括線)を定規で引かないと怒るバカな教員がいました。

さらに意味がわからないのですが、マイナスやプラス、イコール等の記号は定規を使わなくてもよいという理解不能な拘り。

子供が何を言っても無意味なので、親にクレームつけてもらえば良かったと後悔しています。

当然のことながら、その教えは何の役にも立っていません。

教員という独裁者は、優秀な学生の足を引っ張る行為をすぐにやめるべきです。

 

高校入試では、試験の点数だけではなく中学校での成績も加味した総合評価になるため、日頃から教員への媚売りや無駄な頑張ってるアピールが必要になるようですが、中学校での成績が悪くても入試本番での点数が高ければ合格しますから、その後の事を考えても実力を高めることの方が重要です。

最終的なゴールは何なのかを考えましょう。

学校で高い評価を獲得できればそれでよいのか、それとも社会に出てから実力を発揮して高い評価を獲得していくのか。

 

ただ人の言う事を聞いてその通りに動くだけの人生は頭を使わなくていいため楽ですが、これからの時代、そのような人はAI(人口知能)によって淘汰されていくことでしょう。

 

関連記事

教育現場の問題点はなぜ表面化してきたのか 教員の誤りを指摘する保護者はモンスターではない

教育現場の問題点はなぜ表面化してきたのか 教員の誤りを指摘する保護者はモンスターではない

教育現場では教員の不祥事、不適切な指導等が相次ぎ、連日報道されています。

これは最近になって表面化してきているだけで、昔から存在していた問題です。

なぜ昔は問題にならなかったのに、現代では問題とされるのでしょうか。

 

その要因の一つに、保護者の学識の向上が挙げられるのではないでしょうか。

昔は地域に大学を卒業した人は学校の教員くらいしかいなかったものです。

そのため、学校の先生は学識があり偉いのだから、「先生の言う事はちゃんと聞きなさい」と子供に教えていた保護者も多かったのです。

しかし、今は大卒の保護者も多く学校でのあらゆる問題について考え、問題点があれば指摘するようになってきています。

子供の人権を守るため、社会全体として教育現場に厳しい視線が向けられていることも要因ですが、これらの要因があり教育現場のあらゆる問題点が表面化してきたのではないかと考えられます。

 

学校という閉鎖的な空間において、子供にとって先生は数少ない大人であり特別な存在です。

体も小さく知識も乏しい、経験もない、考える力もない子供にとって先生は絶対的な存在であり逆らえないものです。

教員の多くは学校という世界以外を知らない世間知らずな人種です。

そうではない素晴らしい先生方も多くいらっしゃいますが、そのような残念な教員が多い印象を受けます。

社会経験がほとんど無いまま先生になってしまえば、先生はあまり他の教員からの干渉を受けずにそのまま過ごしていくことになり、自分の至らない点に気付くことなく年を取っていきます。

結果的に誤った考えを子供に押し付け、不適切な指導を重ねてしまい、多くの子供がその被害を被ってしまいます。

このような被害を防ぐために、学識のある保護者の教育現場への介入が必要であり、教員に対して適切に指導し正しい教育が行われるよう監視する役割を担う保護者が求められます。

子供が何を言っても無駄であるため、保護者が対応しなければならないのです。

子供がしっかり保護者に報告できるようにするためにも、物事を批判的に吟味する姿勢を身に付けさせたいものです。

 

理不尽な要求をする保護者は明らかにモンスターですが、教育内容を監視し、適切に指導をする保護者はモンスターではありません。

教員側にとっては、自分の指導に対してクレームをつけるモンスターのように思われるかもしれませんが、教育の結果が子供の人生に大きく影響を与えるため極めて重大であるという認識を持っていただきたいものです。

 

関連記事

体育会系は知能レベルの低い、考える頭のない人種 トップはまさしく独裁者

学校の先生の言う事は聞くな! 学校と社会での評価のギャップ

体育会系は知能レベルの低い、考える頭のない人種 トップはまさしく独裁者

今回は体育会系のデメリットについて解説します。

関連する記事として、体育会系が就職に有利な理由について解説している記事がありますのでご覧ください。

 

関連記事

体育会系はなぜ就職に有利なのか 兵隊としては優秀な体育会系

 

体育会系の人にとっては上司、先輩は絶対的な存在であり、どれほど理不尽で間違っていることでも決して意見することなく忠実に命令に従います。

言い換えれば何も考えていないということです。

何も考えることなく、指示されたことしかできないということです。

そもそも、おかしな命令が下されるのは命令した者に問題があるからです。

なぜこのような無能な人間が出世しているでしょうか。

それは、年功序列の組織において、あらゆる理不尽に耐えて生き残った人間が空いたポストに収まっただけにすぎないからです。

何も考える頭の無い無能な人間が下す命令は合理性に欠けるものです。

つまり、体育会系の組織では優秀な人材が育つことはありません。

無能な上司は人を育てることはできませんし、意見が言えない環境ならば部下は何も考えません。

考える力のある優秀な人材はすぐにこのような組織からは離れていってしまいますから、無能な人間しか残りません。

やはり体育会系の組織からは何も生まれません。

 

体育会系の場合、自分より上の人間の存在は邪魔なものですが、下の人間がいると都合がいいものです。

今度は自分が絶対的な存在になります。

面倒な雑用を全て部下に押し付けて自分は楽をすることだって出来ます。

それでも部下は文句を言いませんから、部下は自分が楽をするために存在する都合のよい兵隊であるという勘違いをする上司もいます。

体育会系の組織で生き残った人は、自分があらゆる理不尽に耐えて出世したのだから、当然のように自分が上司にされたことと同じような理不尽を部下に強いるものです。

このような負の連鎖は断ち切られることなく、代々受け継がれていきます。

 

体育会系の人は自分の考えが絶対であるため、頭が固く、融通が利かないものです。

部下の意見は一切聞き入れず、間違っている考えを平気で押し付けるのです。

かつての教育現場では、運動して大量に汗をかいても水分補給が認めないというバカみたいな考えが罷り通っていました。

今では積極的な水分補給が勧められていますが、これは命を落とす可能性のある重大な問題です。

無能な部活の顧問や先輩のバカ丸出しの指示に従わざるを得ないために多くの被害者が出てしまいました。

体育会系の方は、下手したら命を落としていた可能性があったということを重く受け止めるべきです。

生きているのは単に運が良かっただけかもしれません。

何人もの死者を出してようやく考えを改めるに至ったのです。

死人が出なければ考えを改めることが出来ないというのは無能と言わざるを得ません。

命にかかわる重大なことさえ意見できなかったのですから、明らかに体育会系の考えは間違っているのです。

間違っていることは間違っていると指摘できなければ、このような悲劇は繰り返されてしまいます。

今は誰もが情報を発信できる時代です。

無能な指導者の暴挙については証拠を押さえてネット上に公開して断罪し、徹底的に追い詰めてやるという姿勢で臨むべきです。

自分の身は自分で守りましょう。

日大アメフト部のタックル問題はいい教訓になったのではないでしょうか。

独裁者の暴挙が世間に広く知られてしまうと、その独裁者は途端に力を失うものです。

 

「グラウンド100周走れ」と言われて「ハイ」と返事をして走ることが正しいと思いますか。

多くの方は疑問に思い、説明を求める人もいることでしょう。

しかし、体育会系の考えでは合理的な説明を求めてはいけません。

返事は「はい」意外ありません。

今年7月大津市の中学生が部活動でランニング80周するよう命じられ熱中症で倒れたという事例があります。

これが正しい教育なのでしょうか。

教育現場では間違った教育が散見され、目に余るものがあります。

この問題についてはこちらの記事で解説しています。

 

関連記事

教育現場の問題点はなぜ表面化してきたのか 教員の誤りを指摘する保護者はモンスターではない

学校の先生の言う事は聞くな! 学校と社会での評価のギャップ

 

話を戻しますが、体育会系の考えは自分の身を滅ぼすことになるということを覚えておきましょう。

明らかな法令違反であるにもかかわらず、実行するよう命令されてしまった場合、あなたはどうしますか。

捜査のメスが入ってしまえば、上司は関与を否定し、実行犯であるあなたに全ての責任を押し付けるかもしれません。

あなたは自分のキャリアを終わらせる選択を迫られるかもしれません。

自分の身は自分で守るしかありませんから、どのように行動すべきかよく考えましょう。

そしてそのような不正は組織を潰すことにもなります。

まさしく日大アメフト部のタックル問題です。

 

そもそも、上司、先輩はなぜ尊敬されるのでしょうか。

それは、経験に裏付けられた実力があるからではないでしょうか。

一般に、実力が無いくせにただ偉そうに命令しているだけの無能な人は軽蔑されるはずです。

 

ただ努力することに意味があると思いますか。

努力する姿勢し素晴らしいのですが、方向性を誤ってはいけません。

無駄に遅くまで残って仕事をするのは生産性が低く、間違った努力といえます。

根性云々ではなく、頭を使って効率良く仕事をし、生産性を高めて公私共に充実させるのが賢い考え方です。

部活においても無駄な努力はしない方が賢明です。

方向性を誤った努力は成長するどころか体を壊し、場合によっては命を落とす危険性があります。

正しいやり方を考え、実践していくことに意味があり、ただ指導者や先輩の命令通りに動くような軍隊式の教育では教育の体を成さないのです。

体育会系はなぜ就職に有利なのか 兵隊としては優秀な体育会系

体育会系は就職に有利であるという話はよく耳にするのではないでしょうか。

そして、面接の際に学生の頃の部活動について質問された経験を持つ方は多いのではないでしょうか。

今回は体育会系がなぜ就職に有利なのか解説します。

 

体育会系の人は厳しい部活で鍛えられていますから、やはり体力があります。

そして根性があります。

キツイ仕事でも根性があって投げ出すことなく、体力があるから長時間労働にも耐えられる。

まさしく優秀な兵隊です。

 

それだけではありません。

体育会系と言えば上下関係の厳しさ。

ある高校では1年生は奴隷、2年生は平民、3年生は神様だそうです。

それだけ厳しい縦社会では先輩、上司に忠実であり、どのような理不尽な命令にも「はい」以外の返事はなく、余計なことは考えずに従います。

疑問に思うこともなく、意見することもなく、上官の命令には絶対服従。

長時間の時間外労働を強いられても、上司が残業代をつけないよう指示すれば残業代の請求はせず、無償で奉仕してくれる兵隊もいます。

非常に優秀な兵隊ですね。

社畜精神の塊です。

過酷な労働環境の中で兵隊が潰れても、新たに兵隊を補充すればいいだけです。

使い捨ての優秀な労働力との考えを持つ人もいるのではないでしょうか。

 

上司が部下は自分にとって都合のよい存在であり、兵隊としての使い勝手の良さしか求めないのであれば、このような人材を求めるのでしょう。

体育会系の人は自分より下の人間に対して自分は絶対的な存在であり、意見など求めません。

組織の意味不明な伝統やしきたり、風土について一切疑問を持つことなく、上司の命令に忠実に従う優秀な兵隊は組織にとって都合がよいのです。

知能レベルの高い、考える力のある有能な人材は邪魔な存在でしかないのでしょう。

 

未だにこのような体育会系の組織は数多く存在するのですが、時代とともに変わりつつあります。

体育会系を嫌う考えは拡がりを見せ、体育会系のあらゆる問題点が表面化してきています。

今年は日大アメフト部の悪質タックル問題が大きく話題になりました。

一流のアスリートが指導者からのパワハラを告発する会見を行い、メディアがパワハラを断罪する事例も数件ありました。

体育会系の体質、指導者という名の独裁者がいかに害を与える人種であるのか、こちらの記事で解説しています。

 

関連記事

体育会系は知能レベルの低い、考える頭のない人種 トップはまさしく独裁者

 

どのような組織に属するか、選ぶ権利があります。

自分を安売りすることなく、抑圧されることなく自分の能力を発揮できるような組織で働きたいものです。

初任給には何が含まれる?基本給とは?知らないと年収で差がつく 正しい求人票の見方

就職活動をされている方、転職を考えている方は正しい求人票の見方を理解しているだろうか。

初任給○○万円、この意味を理解しているだろうか。

基本給が重要である理由を理解しているだろうか。

 

基本給とは賃金のベースとなるものであり、単価(バイトでいう時給)や賞与はこの基本給を基に決まるものです。

そのため基本給が重要であり、基本給が安く手当が多い場合には単価が安いため残業代が安くなり、賞与も低くなります。

賞与は一般的に基本給の何ヶ月分という計算ですから、やはり基本給が重要です。

基本給の他に役職手当や資格手当、地域手当などが単価や賞与に影響する場合があるので、確認しましょう。

また、退職金も基本給が基になり決まるものです。

 

調剤薬局の薬剤師の場合を例に説明すると、基本給18万円、資格(薬剤師)手当7万円といったケースで、単価や賞与の算定に資格手当も含まれるならばよいのですが、資格手当が含まれない場合には単価も賞与も安くなります。

かなり重要なポイントですから、よく確認しましょう。

 

次に初任給について説明します。

初任給=基本給と勘違いしている方も多いと聞きますが、一般的に初任給とは基本給と諸々の手当てを合算した額です。

そのため、その内訳を確認しておかなければ、後から後悔することになります。

見かけの数字に惑わされることなく、しっかりと内訳を確認しましょう。

基本給を低く抑えて手当が多いケースと、手当はほとんどないが基本給が高いケースではどちらの年収が多くなるか、これまでの解説を理解していればわかるはずです。

 

さらに新社会人になる方が理解しておくべきなのは、この初任給が全て自分のものになるわけではないということです。

税金がかかるというのはわかっているのでしょうが、税金よりもずっと高いものがあります。

それは社会保険料です。

この社会保険料のせいで手取りは思っている以上に安くなってしまいます。

2年目以降昇給したにもかかわらず手取りが減るケースが多いことをご存知だろうか。

これにも社会保険料が関係しますし、住民税の影響も大きいです。

気になる方はこちらの記事を読んでみてください。

 

関連記事

昇給したのに手取りが減る? 新社会人の手取りはどのように変化するのか

昇給したのに手取りが減る? 新社会人の手取りはどのように変化するのか

厚生労働省が2017年11月に公表した平成29 年賃金構造基本統計調査(初任給)の概況によると、2017年の大卒初任給の平均は206,100円で、前年比1.3%増です。

これは基本給の他、各種手当を含めたものであり、実際に手元に残る金額(手取り)は条件によりますが17万円程度になります。

1年目の場合は社会保険料(15%弱)と所得税が天引きされ、住民税はまだ天引きされません。

 

控除されるものの内訳として、税金よりもずっと社会保険料の方が高いということを理解しておきましょう。

この社会保険料に関する解説や、今後公的年金がどのように改悪していくのかなど知っておくべき情報、さらに老後の暮らしを守るための対策について関連記事を示しますので、是非お読みください。

 

関連記事

税金よりも高い社会保険料 保険料率18.3%から25.9%へ? 待ち受ける最悪のシナリオとは

社会保険料はどのように決定されるのか 3月~5月の残業に注意

 

1年目はまだ住民税が引かれませんが、その仕組みについて解説します。

住民税は税率が所得によらず一律10%であり、前年の所得に対して課税され、6月から控除されます。

つまり、その年の所得が確定してから翌年に納付となるため、前年の所得がない1年目の社会人はまだ住民税の支払いがないということです。

住民税決定通知書に6月からの各月にいくら納付するのかが書かれていますので、確認してみてください。

住民税はボーナスからは引かれません。

賞与の有無や諸々の条件によって異なるのですが、賞与無しの2年目の社会人の住民税は月々5,000円程度といわれています。

 

2年目の6月以降は住民税が引かれるため、昇給したにもかかわらず手取りが減ってしまうことが多いということを頭に入れておきましょう。

ここからさらに手取りが減っていきます。

9月には社会保険料が上がります。

2年目は業務量が増え、それに伴って残業代が増えるケースが多いのではないでしょうか。

すると、標準報酬月額が上がり9月以降さらに手取りが減ります。

 

3年目になるとさらに住民税の負担が重くなります。

2年目の住民税は1年目の所得に対して課税されたものです。

1年目は4月から12月の9ヶ月分の月給、夏の安いボーナス、冬のボーナス満額の合計が年収であるため、1年目の年収は低いのですが、2年目になると月給が3ヶ月分多くなり、さらに夏のボーナスも満額になります。

つまり、2年目の年収が高くなるため、3年目に引かれる住民税の負担が重くなるということです。

 

このように、社会人となってから手取りは増えるどころか減っていくケースも多いということを念頭に、計画的にお金の使い方を考えることが重要です。

65歳まで拠出可能に? 65歳まで確定拠出年金の加入延長を検討か

厚生労働省が確定拠出年金の掛け金の拠出を65歳まで可能とするよう検討するとの一部報道がありました。

確定拠出年金やNISAについては、今後も制度の拡大が予想されると私は考えます。

個人型確定拠出年金(iDeCo)については、拠出限度額の引き上げも考えられますし、つみたてNISAについては20年間の期間限定ですが、この期間の延長或いは別の類似した制度の導入、非課税枠の拡大等も考えられます。

 

今回は一部報道で延長を検討すると報じられただけではありますが、かなり現実的であると考えます。

税制面で大きく優遇される制度ですが、なぜここまで制度の拡大しようという動きがあるのでしょうか。

 

それは、公的年金の厳しい財政事情が背景にあります。

関連する記事がありますので、是非読んでみてください。

 

関連記事

税金よりも高い社会保険料 保険料率18.3%から25.9%へ? 待ち受ける最悪のシナリオとは

社会保険料多く納めた分を回収するには92歳以上生きることに?損をしない方法は

月々の社会保険料は標準報酬月額によって決まりますが、これまでの記事では社会保険料の仕組みを解説し、等級を可能な限り上げない方がよいとの考えを述べてきました。

 

参考記事

社会保険料はどのように決定されるのか 3月~5月の残業に注意

随時改定の落とし穴 徹底的に搾取する仕組み

 

しかしながら、業務量が多ければどうしても等級は上がってしまうものです。

等級が上がることによる支出増とそれに伴う年金給付額の増加による収入増を考え、保険料が上がった分を回収するには何歳まで生きることになるのかシミュレーションしてみましょう。

 

1階部分の国民年金(老齢基礎年金)は納めた金額ではなく加入した年数で決まります。

20歳から60歳まで、最大40年間納めることができ、その受け取る額は

2万円×納めた年数

で決まります。

 

一方で、2階部分の厚生年金は納めた額により決まります。

標準報酬月額が決まり月々の保険料が固定され、さらに賞与からも保険料率を掛けた分が天引きされ、強制的に納付することになります。

今回は標準報酬月額が上がり、それに伴って等級が上がった場合の手取り減少分を回収するのに何年かかるかをシミュレーションします。

標準報酬月額が20万~38万円の場合、2万円ごとに等級が上がっていきます。

社会保険料は概ね15%負担し、その分手取りが減ります。

2万円×0.15=3,000円

等級が1つ上がると月に3,000円、年間で36,000円程度手取りが減ることになります。

将来受け取る年金は、65歳から受け取る場合で考えると

20,000円×12×0.0055=1,320円

年間で1,320円増えることになります。

年間36,000円手取りが減る代わりに年間1,320円年金の受取額が増えるので、

36,000÷1,320=27.2727・・・

手取りの減少分を回収するためには27年以上かかる計算になります。

つまり、92歳以上生きなければ回収できないということです。

そこまで長生きできるかどうかわかりませんし、今後はさらに状況が悪化するものと考えられるため、極力保険料を抑えて投資によって資産を形成した方が賢いのではないかと考えます。

 

厚生年金は確かに納めた金額に比例して将来受け取る年金額も増えていきますが、基礎年金は加入した期間に比例して年金給付額が増える仕組みです。

そのため、高卒で社会人となった場合のような低所得者層に優しい制度であるといえます。

 

現代の若者が年金を受け取る頃には、公的年金は改悪に改悪を重ねて公的年金だけで暮らしていくのは困難になることが予想されます。

若いうちから数十年先を見越した正しい資産形成をすることで老後破産を回避することができますから、個人型確定拠出年金(iDeCo)、つみたてNISAといった制度を利用し賢く資産を築いてくことをお勧めします。

 

関連記事

なぜ国はiDeCoやつみたてNISAの積極的な利用を勧めるのか①

なぜ国はiDeCoやつみたてNISAの積極的な利用を勧めるのか②

随時改定の落とし穴 徹底的に搾取する仕組み

今回は社会保険料の随時改定について解説します。

定時決定について理解してから以下の記事を読むことをお勧めしますので、定時決定についてよくわからないという方はこちらの記事をご覧ください。

社会保険料はどのように決定されるのか 3月~5月の残業に注意

 

基本的には定時決定により9月から翌年の8月までの1年間の社会保険料が決まるのですが、昇給等により固定給の変動があった場合は見直しが行われる場合があり、これを随時改定といいます。

随時改定は次に示す条件を満たしている場合に行われます。

 

  1. 昇給又は降給等により固定的賃金に変動があった。
  2. 変動月からの3か月間に支給された報酬(残業手当等の非固定的賃金を含む)の平均月額に該当する標準報酬月額とこれまでの標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた。
  3. 3か月とも支払基礎日数が17日(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日)以上である。

 

この3つの条件を全て満たしている場合に随時改定が行われます。

 

固定的賃金には基本給、役職手当、通勤手当、住居手当等が含まれます。

これらの変動があって尚且つ2等級以上の差が生じた場合に行われるため、固定給の変動が無く残業代が増えただけでは随時改定の対象にはなりません。

 

上記の3つの条件を読んだだけではわかりませんが、大きな落とし穴があるので、次のケースを見てみましょう。

昇給が10月という方の事例です。

3~5月は忙しく、定時決定でかなり等級が上がってしまいましたが、その後10月になって昇給したものの残業はそれほどなく、結果的に10月~12月の3ヶ月の報酬の平均が2等級以上下がってしまったというケースです。

この場合は上記の条件を見る限り随時決定の対象になりそうなのですが、結論を言ってしまうと随時改定の対象にはなりません。

もし10月に固定的賃金が下がっていれば随時改定の対象になったのですが、昇給により固定的賃金が上がってしまったため、等級が上がる方向にしか改定されません。

つまり、昇給等により固定的賃金が上がった場合、随時改定では等級が上がる方向にしか改定されず、逆に固定的賃金が下がった場合には随時改定で等級が下がる方向にしか改定されないということです。

4月昇給ではない方で、昇給はするものの残業代が減り2等級以上下がるために社会保険料が安くなることを期待していた方にとっては大変残念ですが、このように徹底的に搾取する仕組みなので注意しましょう。

 

また、4月昇給の方が多いかと思いますが、その場合4~6月の報酬で標準報酬月額が決まり、それまでの等級よりも2等級以上上がってしまった場合、定時改定は行われず、随時改定が行われることになり、7月から翌年8月までの社会保険料が上がってしまうので、このような方は特に等級が上がらないように気を付けたいところです。

 

少し残業代を削れば差が1等級以内に収まるのであれば、あえて時間外の申請をしない方(サービス残業)が後々の手取りの減少を抑えられるためまだ損をせずに済みます。

2等級も上がった場合、報酬が月20万円~38万円のケースでは年間でおよそ70,000円も手取りが減ってしまいます。

定時決定の時期は残業を減らし、随時改定の時期は定時決定の時期よりも少し多めに残業し、それ以外の時期にしっかり残業して稼ぐのが最も損をしないということです。

社会保険料の決定に関わる時期は極力働かずにプライベートを充実させたいものですね。

働いたところでそれはタダ働きですから。

よく計算し、賢い選択をするとよいでしょう。

等級が1つ上がった場合、増えた保険料を回収するには何歳まで長生きすればよいのか計算し、次回お伝えします。

社会保険料はどのように決定されるのか 3月~5月の残業に注意

社会保険料はどのように決まるのかを解説します。

 

まずはこちらの記事を読み、社会保険料について理解した上でこの記事の続きを読むことをお勧めします。

税金よりも高い社会保険料 保険料率18.3%から25.9%へ? 待ち受ける最悪のシナリオとは

 

毎月天引きされる社会保険料ですが、雇用保険料についてはそれぞれの月ごとに変動しますが、厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料については標準報酬月額によって決まり、一定の金額が天引きされることになります。

標準報酬月額とは4月~6月の各月の総報酬の平均を算出し、標準報酬月額表に当てはめて決定されるもので、等級があります。

この等級によってその年の9月から翌年8月までの社会保険料が決定します。

これを定時決定といいます。

この報酬とは基本的には月の総支給額と考えてよいのですが、税と勘違いしやすい項目もあるため気を付けてください。

基本給や役職手当等の固定的賃金に加え、月々変動する残業手当や宿日直手当て等ももちろん含まれます。

さらに、非課税である通勤手当も含まれるため注意が必要です。

通勤手当は非課税だからお得だと勘違いしている方もいるようですが、確かに税の面では課税対象とならないのですが、社会保険料には影響するので、通勤手当が高い人はそれだけ手取りが減ることになります。

通勤手当が高い人は自分の儲けにならない一方で報酬には含まれるため、社会保険料が上がり手取りが減るのですが、加えて日々通勤に伴い失われる時間や労力も考慮したいところです。

 

この仕組みのいやらしい点は、4月~6月の給与で決まるという点です。

残業代は翌月支給が一般的ですから、3月~5月の残業代が影響するということです。

年度の変わり目で業務量が多くなるために残業代が高くなってしまいます。

この業務量が一般的に多い時期に設定することで、合法的に多く保険料を搾取する仕組みなのです。

3月~5月の残業が多くなり、標準報酬月額が上がり固定されたものの、その後業務量が減り、それに伴って残業代が減ってしまうと月々の給与に見合わない額の保険料が天引きされ、生活は苦しくなります。

そのため、社会保険料を抑えるためには3月~5月の残業を減らさなければなりません。

それがわかっていても実際に残業を減らすのは難しいでしょうから、この仕組みは国民から保険料を搾り取るためによく考えられていると思います。

ただし、以下の場合には特例的に通常の定時決定が行われない場合があります。

 

当年4月から6月までの3か月間に受けた報酬の月平均額から算出した標準報酬月額と、前年の7月から当年の6月までの間に受けた報酬の月平均額から算出した標準報酬月額の間に2等級以上の差を生じた場合であって、当該差が業務の性質上例年発生することが見込まれる場合

 

この特例がどの程度適用されるかはわかりませんが、よく一般的に3月~5月の残業は控えて社会保険料を抑えたいということが言われていますから、該当しないケースが多いのでしょうか。

逆を言えば、3月~5月の残業を抑えてそれ以後は残業を多くしても、天引きされる社会保険料の額は変わりません。

ただし、昇給の際には注意が必要です。

随時改定という仕組みがありますが、これには落とし穴があります。

随時改定についてはこちらの記事で解説しています。

随時改定の落とし穴 徹底的に搾取する仕組み

 

標準報酬月額表に当てはめるという点についても理解しておきましょう。

東京都の標準報酬月額表を示します。

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/h30/ippan4gatu_2/h30413tokyo_02.pdf

 

例えば、22等級、標準報酬月額30万円の場合ですが、報酬月額が290,000~310,000の場合にはこの等級になります。

つまり、下限の29万円でも上限の31万円でも負担する保険料は同じです。

そのため、その等級の上限ギリギリに抑えるのがベストです。

月の稼ぎが20万円~38万円ならば、2万円毎に等級が変わりますから、等級が1つ上がると概ね3,000円程度月の手取りが減ります(介護保険料の負担の有無で多少は変わります)。

等級が1つ上がるだけで年間36,000円前後も手取りが減ってしまうことになります。